VERITAS INVESTMENT
マンション経営・不動産投資をゆっくり知ってじっくり考える
ヴェリタス・インベストメントの[マンション経営ラウンジ]
0120-177-732お電話受付10:00~19:00(平日) 各種お問い合わせ

一歩先行く不動産投資 プロフェッショナルズアイ

yamaguchi

ファイナンシャルプランナー 山口 京子(やまぐち きょうこ)
元フリーアナウンサーのスキルを活かし、ファイナンシャルプランナーとしてテレビ・ラジオ等多数のメディアに出演、セミナー講師としても活躍。ワンストップで顧客にサービスを提供するため、生命保険、損害保険、証券外務員の資格も保有。不動産好きが高じて、宅建試験に挑戦し一発合格。顧客には、不動産オーナーも多い。 http://kyoko-yamaguchi.com/

相続が争族になるケース

「うちは財産なんてないから相続争いなんてなりませんよ」と、多くの方がおっしゃいます。でも実際に遺族でもめて家庭裁判所の持ち込まれる遺産分割事件のうち、およそ3割が相続財産1000万円以下、4分の3が5000万円以下です。(司法統計平成28年遺産分割事件のうち認容・調停成立件数遺産の内容別)

主な遺産がマイホームだけというケースでも、もめることは十分考えられます。預貯金や有価証券なら分けやすいのですが、マイホームは分けにくい資産だからです。

よくある例で見てみましょう。父親はすでに亡くなり実家で母親と同居していた、長女がいたとします。母親が亡くなると、相続人は他に妹が1人です。長女は、実家にそのまま住み続けるのが当たり前だと思っていますが、母が残した遺産は、長女だけの物ではありません。

次女「タダでこの家にずっと住むなんてずるい。私は自分で家を買ったのよ」
長女「何言ってんの、私は仕事をやめて介護してきたのよ」
次女「この家の権利は半分私にあるんだから、家賃払うか、出て行って売ったお金を半分ちょうだい」

相続争い勃発です。相続人には、法定相続分があり、今回の場合は姉妹2人が相続人なので、遺産を2分の1ずつ分けるということで間違いありません。ただ実際は、法定相続分だけで割り切れない、今までの親に尽くしたという寄与分や、留学、マイホーム資金援助など親からの特別受益などの事情と感情が複雑に絡み合います。

遺言があればいい?

今回のケースで、お母さんが「長女にこの家を相続させる」という遺言を書けば、すんなり長女は実家に住み続けられたのかというと、そうではありません。次女がもらうべきだった法定相続分の2分の1は、絶対に次女がもらえる権利があるのです。これを遺留分(いりゅうぶん)といいます。

仮に、実家の土地と建物が4000万円だった場合。次女の法定相続分は2000万円、その2分の1にあたる、1000万円はたとえ母の遺言があったとしても、もらう権利があります。次女は、遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)を長女にし、話し合いがつかなければ、調停、さらに訴訟に至ることもあります。

困ったことにならないために

お母さんがまだお元気なうちに、この家を長女に相続させたいと、次女に伝え話し合っておく必要がありました。そこでは、わかったと言っても数年経つと事情が変わることがあります。無駄な争いを避けるために、遺言と合わせて遺留分を侵害しないよう1000万円を用意すればよかったのです。このお金のことを、代償金(だいしょうきん)といいます。
この1000万円は、生命保険でも用意することができますが、注意点があります。それは、保険の受取人を次女にしないことです。実家は長女に相続させるので、保険の受取人は次女にと考えがちですが、生命保険は相続財産ではなく受取人固有の財産です。

つまり、死亡保険金1000万円を受け取った次女は、「これは、もともと私の物だから、相続財産を半分ちょうだい」と主張することができるのです。どうすればいいかというと、お母さんの保険の受取人を長女にします。長女は家と死亡保険金の両方を手に入れますが、死亡保険金は長女固有の財産ですから、受け取った1000万円を代償金として次女に払うという代償分割ができます。

マイホーム以外の資産を作る

遺産がマイホームしかないというのは、よくある話です。何もしないまま相続の時を迎えると、とりあえず共有名義にするケースもありますが、不動産を売る時などに共有者の承諾は必要になります。また、次に相続が発生した時、亡くなった人の配偶者や子どもなどが持ち分を相続することになり、ますます使い勝手が悪くなります。

自宅兼事務所や商店になっているケースや、どうしても相続させたい人が決まっている場合は、早めに他の相続人に別の物を相続させる準備が必要です。先の生命保険もその一つです。一時払いの終身保険は90歳まで加入できるものがありますが、まとまったお金が必要です。3000万円の保険金に対して、1800万円~2700万円くらいの保険料が必要です。

もし、あまりお金を用意せずに別の財産を用意するなら、投資用のマンションを購入する方法もあります。投資用のマンションは、仮に3000万円の物件であっても、最初に用意するお金は、頭金と諸費用70万円程度です。借り入れをしますが、その返済資金は入居者の賃料でまかなうため、頭金2割だとしても700万円程度で大きな相続財産を残せます。

購入にあたっては、価格の下落幅が少ない、都内の物件を選ぶこと、将来に渡ってニーズがあるエリアを選ぶことが大事です。最近は、45年間、最長84歳までローンが組める金融機関もあります。男性の平均寿命は80歳ですから、保険のような役割も果たします。

相続は資産がある人だけでなく、すべての人に当てはまる問題です。個別の事情が大きく影響しますので、どの方法が我が家には合うのかまずは家族で話し合い、分からなければ専門家に相談することが大事です。

最新のコラム

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
吉崎 誠二(よしざき せいじ)

「将来世帯推計」で見る、今後の賃貸住宅需要の変化 new 「将来世帯推計」で見る、今後の賃貸住宅需要の変化

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
吉崎 誠二(よしざき せいじ)